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DVD発売記念「ATARI GAMEOVER」(アタリ ゲームオーバー)特別上映会に行ってきました。

公開日: : イベント, ゲーム, 映画・テレビ

ゲーセンで『マーブルマッドネス』や『ガントレット』をプレイし、SEGAのメガドライブで『ペーパー・ボーイ』や『ランパート』に親しんできたATARIっ子としては、ATARIショックや『E.T.』廃棄の話題には関心があった。そして廃棄場の奥底から本当にゲームカードリッジが”発掘”され都市伝説が事実となったニュースに本当に驚き、当時結構あちこちWEBサイトを調べて回ったのを覚えている。

今回その発掘の様子がDVDとなって国内で発売されると聞き、しかもリリース記念に特別上映会が9月5日に行われると知って速攻で申し込んだ。

DVD発売記念「ATARI GAMEOVER」(アタリ ゲームオーバー)特別上映会

当日、上映に先立ち『E.T.』のデモプレイも行われた。Youtubeでは見たことがあるが、生で見るのは始めてだった。

ATARIのみならずアメリカのコンシューマゲーム産業の息の根を止めたとされるキング・オブ・クソゲーを前に、たますさんも黒川さんも「それほどひどいゲームではない」としきりにフォローしていた。たしかにもっとひどいゲームは世の中に沢山あるのは知っている。ただ実際に見てみて、そのバランスの悪さはクソゲーなのは間違いないと改めて思った。”キング”とまでは言わないにしろ。

映画はまさにテック系シリコンバレースタートアップの成功と挫折のストーリーである。

ATARIのいけいけドンドンの業績の中で、立て続けにヒット作を生み出したゲームクリエイターのハワード・ウォーショウに出された無謀なオファー”5週間後のクリスマス商戦までに映画『E.T.』のゲームを出せ”。どう考えても無茶なオーダーにハワードは全能感たっぷりに応え、そして失敗する。

ATARIの凋落は決して『E.T.』だけのせいではなく、時代の節目として迎えるべくして迎えたに違いない。『E.T.』はただそれに駄目押しをしたに過ぎない。しかし不運なことに凋落の象徴としてアイコン化され、息の根を止めたクソゲーとして記憶されることになる。

atari_gameover

個人的には、ハワードも決してただ悲劇の被害者なのではなく、変なイースターエッグとか仕込んでるくらいなら、もっとゲームバランスに気を配るべきだったし、それによっては結果が少し違っていたかもしれないと思う。そもそも無理なオファーに応えない、という選択肢もあったはずだし。ただその失敗がATARI凋落の全責任を負わされるほどかと言えばそうではない。なのにそういう形をとらされる結果となったハワードは花形プログラマとしての経歴を捨て業界を離れ、在庫として残ったゲームはただのゴミとして埋葬された。

それから30年。”発掘”自体は事前の入念なリサーチによって無事に見つかる。なので映画は発掘自体にはあまりフォーカスせず、当時のATARI関係者のインタビューを中心に進んでいく。ATARIの生い立ち、ゲームバブル、なぜ『E.T.』を出すということになったのか、そして終焉。まだゲームビジネスの手法が確立されていない時代の混迷とした世界が垣間見れてとても興味深い。ただそれでも彼らが心からゲームを愛していたのはとてもよくわかって嬉しかった。

ATARIショックによって焼け野原となったのち、その失敗を踏まえてコンテンツに徹底したクオリティコントロールを敷いたNINTENDOが北米に上陸したときにライバルがまったく存在しなかった、という点は、今日コンシューマゲーム業界で日本がいまだイニシアティブを取れていることを含めて、ATARIっ子としては心中複雑でもある。

ということで、ただ単に「クソゲーすぎてゴミとして捨てられたゲームが30年ぶりに掘り返された」という以上に、当時のゲームビジネスを振り返る上でもとてもいい映画でしたよ。最近だとNetflixとかでも観れるようだけど、DVDなら黒川さんによるノーラン・ブッシュネル氏への単独インタビューといった特典映像もあるので、こちらもぜひチェックしてみるといいかと思います。

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