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大磯の左義長に行ってきた

公開日: : 最終更新日:2014/09/13 旅行・地域

1月12日、西湘バイパスを小田原に向けてクルマを走らせていると大磯の海岸に大きな「何か」がいくつも並んでいるのに気がついた。調べてみると「左義長」というイベントがこの日に行われるという。

左義長」は割と全国各地で古くから行われている行事らしいが、起源も諸説あり、内容も地域によって細かく差があって、Wikipediaを読んでも今ひとつどんなイベントなのかピンとこない。大磯の左義長も重要無形民俗文化財に指定されているというのだけど、Web上にまとまった情報が見つからない。”どんど焼き”をやるらしいので、きっとあの大きな「何か」は(諸星大二郎読者的には、その煙に乗って来訪神が天に帰るための依り代、なのだろうくらいの判断)燃やされるのだろうし、ならば結構盛大な祭りなんではないだろうか、と予想して、日が暮れてからふたたび大磯に戻ってくることを決めた。観光情報サイトによると火入れは例年より1時間前倒しになって18時かららしい。

左義長/大磯町ホームページ

大磯左義長の会場は正確には大磯北浜海岸というところになる。電車でも行けるが会場のすぐそばにある大磯港県営駐車場も使えるらしいのでならばクルマでも行きやすい。僕らは17時40分くらいに大磯に着いたが特に渋滞もなくすんなりと駐車場に入ることができた。

会場入口。脇でどんど焼き用の餅(?)が売っていたよう。丁度僕らが到着したあたりで売り切れていた。

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国指定の重要無形民俗文化財です看板。Wikipediaには”毎年2月11日に盛大に行われている。”とあるけど、日にちが変更になったんだろうか。それとも別な行事なんだろうか…

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暗くて良くわからないと思うけど、海岸には9つの「何か」が作られていた。正式な名称は斎灯(サイト、セエト)と言うらしい。全貌はこのあたりの写真を見てもらうといいかも。高さは10m近いらしくかなりでかい。

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間際で見るとこんな感じ。足下にダルマや正月飾りなんかが括り付けられている。調べてみると門松や注連縄などの正月飾りも神の依り代としての意味合いもあるようなので、まとめて焼いて小正月にお帰りいただく、ということなのかもしれない。ちなみに竹竿にぶら下がってるカラフルな玉は焼いて食べる団子。依り代を焼いた炎で炙って食べることで無病息災を祈願するのだそう。来年は僕らも用意しよう。

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18時、各斎灯に一斉に火が入る。

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瞬く間に炎が大きくなって、大磯の海岸を橙に染上げていく。

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空からは月が静かに見守ってくれている。

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ほどなく暗闇の向こうから威勢のいいかけ声が聞こえてきたかと思うと、火を囲んでいた人たちが一斉に海に向かって移動し始めた。ついていくと、気温0度近い冬の海に褌一丁の男衆が飛び込んでいる。

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左義長の行事の一つである「ヤンナゴッコ」というものだそう。神にお帰り頂くための斎灯はすでに燃やされてしまっているのに、今ここで新たにご神体らしきものが出てくるのはなんなのだろう、とか、海上で綱引きをしてるけど男衆は誰相手に綱を引いてるのだろう、とか見ていていろいろ疑問があったのだけど、このblogのエントリでヤンナゴッコについて詳しく解説されていた。とても興味深いイベントでもあるのでぜひ一読頂きたい。

■風と土の記録 大磯の左義長 その2 (ヤンナゴッコ)

そして浜に戻り酒を酌み交わして歌う男衆(動画)

その後も、炎は一段落したけど、続々と餅や団子を焼く人たちが集まってきていた。

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僕らは特に焼き物を持ち込んでいなかったし、行事的にもこれ以上新たな進行が無さそうだったので、このあたりでおいとまさせてもらった。正味1時間ちょっとくらい。

なんというか、最近首都圏ではあまり見られないとても素朴な祭りだな、という印象を持った。行事が始まることを告げる演出も無いし、無理に盛り上げようという仕掛けがあるわけでもない。それだけ地元に根付いている、ことなのかもしれないし、地元で必要とされている、という言い方もできるのかも。お祭りにありがちなテキ屋の屋台が並ぶ事もなく、変に商業的にしようとする感じでもないことにすごい惹かれた。こういう祭りは個人的にすごい好きだ。これからも続けて欲しい。こういうのなら来年もまた来たい。

とか思っていたら、ニュースで読むと実情はやっぱりいろいろ大変なようだ。

神奈川)大磯の左義長、存続の危機 運営費捻出に酒販売(朝日新聞)

この祭りの準備や運営を担ってきたのが、地元の約400世帯だ。保存会の飯田修司会長(60)によると、親から子へノウハウを伝承してきたものの、材料費などにかかる毎回の約200万円が負担に。各戸で千~5千円ずつを出し合って工面してきたが、「地域の高齢化も進み、今の枠組みでは支えきれなくなる」(飯田さん)と、広く清酒を販売し、売り上げの一部を運営費に充てることを思いついた。

左義長のイラストが目印の清酒「大磯左義長」は、地元の酒店が、静岡県の酒造会社に依頼して実現。富士山の伏流水を使ったすっきりとした味わいで、1本1200円(720ml)のうち、200円が運営費となる。先月から町内の酒店などで販売中だが、2千本のうち、まだ360本ほどしか売れていないという。

なので、また大磯に立ち寄る時にお酒買おうと思います。というか、こういうものこそ会場で売ればいいのに…。

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