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我が恥多き人生を悔やんだ、映画『必死剣鳥刺し』

公開日: : 映画・テレビ

 なぜ、多くの日本人男性は歳をとると歴史に興味を持ち出し、歴史小説を読みだし、時代劇を見だし、週末に手打ち蕎麦を打ちだしたりするのか。

 まあそんなことはさっぱりわからないわけですが、僕も日本人男性の平均寿命の折り返し点を過ぎ、文字通り「中年」となったところで、生まれて初めて自腹を切って劇場で時代劇を見て来ました。

 ただ大変申し訳ないことに特段歴史とかに興味があるわけでなく、藤沢周平を読んだこともありません。この飲み屋のメニューみたいな名前の映画を”見たい”と思ったのは予告編が面白そうだったから。真剣の重みが伝わるリアリティある立ち回りが見れると思ったんです。

 ということで、映画『必死剣鳥刺し』です。

Torisashi
(C) 2010「必死剣鳥刺し」製作委員会

 映画的には僕が期待した立ち回りのシーンはほとんどなく、タイトルになっている『鳥刺し』について語られることも終盤に至るまでありません。ただ、ひたすらに映画のフィナーレに向かって淡々とストーリーは進んでいきます。じゃあ退屈か、というとそんなことは無く、絵作りも丁寧に、豊川悦司や池脇千鶴の演技も素晴らしく、見ていて飽きることは全然ありません。展開的にはスタンダードな時代劇なので普通に安心して見ていられます。

 佳境となって初めてトヨエツが剣を抜き殺陣が始まるのですが、立ち回りは派手なところはなく、重く息苦しい展開が続きます。それ自体はとても満足です。そしてクライマックス!必死剣鳥刺しが繰り出されたところで・・・僕は自身の恥多き人生を悔やむことになるのでした・・・

 なんと、そのクライマックス、必死剣鳥刺しが繰り出されたところで、あまりの凄い展開にいつもお世話になってるB級映画の「トンデモ」シーンを見た時のように

 アハハハハハ

 と笑ってしまったのです・・・映画台無し・・・本当に生まれてすいません・・・僕の周りに座っていた人たちも台無しになってしまい迷惑この上なかったと思います。ごめんなさい。

 決して馬鹿にしたわけでも、B級だとかでもなく、凄かったのです。本来の心清らかな人だったら「おおっ」と声に出してしまうようなシーンなのです。僕の心が荒み過ぎていたにすぎません・・・

 初めてみた時代劇、面白かったです。それは僕が歳をとったからかもしれませんが、『必死剣鳥刺し』はオススメできます。是非是非劇場でご覧ください。僕はこれから原作読んで見ようと思います。

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3 ただ強いだけじゃないのだ
5 「秘剣」と「深遠な女性心理」の巧みな融合
5 読み始めると止まらない!!
5 『武士の生き様』を描いた味わい深い短編集
5 巻を措く能わざる面白さ

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おすすめ度の平均: 4.5

1 お勧めできない一冊
3 武士の一分の大義の下に
4 全体としては楽しめるが出来不出来の差が大きい印象
5 若い人に読んでほしい
4 おすすめは…

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Comment

  1. あずき より:

    えー!何に笑っちゃったのかな?気になる…。
    私は時代劇大好きで、この藤沢周平シリーズも好きなんですが、『必死剣鳥刺し』は、予告編でちょっと笑っちゃってたんですよねー。
    トヨエツのあまりのヅラの似合わなさっぷりに。頭の形が変なんですよ!
    最近は観る人も、役者さんも、作る側も減っちゃってサミシイ限りなんですが、こういう部分でも時代劇って難しいンダナ~と思います。

  2. kaizuka より:

    いやもう条件反射みたいなもんだと思うんですよね。決して内容がひどいとか面白いとかそういうことじゃなくて…
    そうか時代劇好きとしてはまた見方が違うんですね。たしかにトヨエツのヅラはちょっと違和感ありました。

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