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『オートバイ』

公開日: : 書籍・雑誌

 出張先の名古屋の本屋で偶然手に取った本。

 単純に概要を言うと

夫婦の寝室から抜け出して、愛人から貰ったハーレーにまたがった19歳の人妻が、国境の向こうの愛人の元までひとっ走りする

という身もふたもない内容なのだけど、その人妻レベッカの目に映る走行時の情景の描写は美しく、「彼女に取ってタイヤのゴムは消しゴムと同じであり、目の前の景色をあっというまに消し去るためにある」的は表現もライダーならかなりグッとくると思う。

 が、それ以外の部分はどうも頂けない。主人公レベッカも、愛人ダニエルも、レベッカの夫のレーモンも、誰一人として感情移入することができないままだった。そして1963年に記された本書は当時はかなり革新的だったのかもしれないけど、2010年からすると1984年の翻訳はバイクやファッションの表現も古臭く、またこれは原作に忠実なのか翻訳者のクセなのか不明なのだけど、句読点の打ち方が独特で、どこまでが1文なのか、この表現がどこの部分にかかっているのかが分かり辛く、読む事自体に結構苦痛を強いられた。

 決してダメな内容じゃないのだから、改めて翻訳し直した方が絶対いいと思う、というのが正直なところ。まあ美しき若き人妻が下着1枚にレーシングスーツを着ただけの出で立ちでハーレーにまたがり愛人の元に疾走する、という絵柄は充分官能的でビジュアル的なので、素直に映画で見た方がいいのかもしれないですな。

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5 60年代、フランス映画の個性。
5 アランドロンからフェルメールへ
5 アラン・ドロンはいつも「おいしい役」
4 その後のお手本
4 見る価値がある

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Comment

  1. takki より:

    映画ぜひ見てください!
    マリアンヌ・フェイスフルの白痴じみた笑顔(かわいいです)、おっぱい、アラン・ドロンのしたたりおちる色気、そしてサイケな映像展開。
    不二子ちゃんですよ。最高です。ぜひ見てほしいです。

  2. kaizuka より:

    なるほど、そうなのか。
    地元のTSUTAYAに在庫があるみたいなんで早速借りて見てみます。

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