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最近読んだ本

公開日: : 書籍・雑誌

 読んだ本のログを取るために年明けから読書メーターを始めた。読書をページ数で計るのはどうかと思うけど、可視化することもまた必要かな、と。これをもってレビューにするつもりだったけど、やっぱり折角なのでちょっと書く。

■『 死んでいる 』(75点)

 身もフタもないタイトルだけど、本当に主人公が「死んでいる」ところから始まる本書。ピーター・グリーナウェイの『ZOO』を思いださせる、屍骸の腐敗描写は耐えられない人も多いとは思うが、そこがメインではないので斜め読みしながらでも読んで欲しい1冊。
 逆戻りする2つの軸と、前に進んで行く2つの軸、絡み合う4つの時間軸が主人公たちの「死」を描写していく。そこには劇的なドラマはない。主人公たちも美男美女ということもなく、性格だって特別魅力的でもない。死に方すら恐らく誰だって「こんな死に方したくないなぁ」と思うようなちょっと恥ずかしい死に方だ。
 でもそう言った”魅力的じゃない主人公”のドラマチックじゃない「死」を丁寧に描くことで改めて「人が死ぬということはどういうことか」を考えさせてくれる。その人の人生が「死」によってブッツリと途切れるということはどういうことか、それを意味するものは何か気付かせてくれる。
 一昨年、去年から「誰でも良かった」というような殺人事件が多い。そういう犯人はきっとこういう「死」と言う事に対してまったく考えていない(考えられない、想像力がない)んだと改めて思った。「死」は誰にでも訪れるものだが、それが意味するものを改めて考えるためにも是非読んで欲しい。



■『 残される者たちへ 』(55点)

 予想外な内容だった。様々な登場人物がある1点に向けて知らぬ間に呼び集められていく、メランコリックで湿っぽい『未知との遭遇』みたい話し。そう、SF作品なのでした。が。
 話しのまとめ方も悪くはないのだろうけど、どうも全体的に生温くて好きになれない。そう思いながら読み進めてしまったからか、1点への集められ方も「う〜ん」と思えてきてしまって(でも考えれば「未知との遭遇」もご都合主義といえばそうで、映画自身もそこがメインではないのよね)、最後まで楽しく読むのが難しかった。この辺は好みの問題、キャラの好き嫌いで別れちゃうのかもしれないね。
 『東京バンドワゴン』というシリーズが人気の作者みたいなので、機会があれば今度はそっちも読んで見用かと思います。はい。



■『 黒い時計の旅 』(80点)

 amazonの商品説明で「仮に第二次大戦でドイツが敗けず、ヒトラーがまだ死んでいなかったら…。」と書かれていたから一体どんな話しかと思って読み始めたが、これも大きく予想と違った作品だった。ただこっちは”良い意味”で。とにかく商品説明を考えないで読んだ方がいいと思う。そこに至るまでが長く複雑なのでそれに捕われていると混乱をきたす。
 基本的に大きな2つの軸を中心に話しが進む。その軸は時代も場所も違うのだけれど、並んで流れる川のように、時に合流し、時に離れて、速い流れのところもあれば緩やかなところもあり、でも決して逆流する事なく流れていく。その精緻な流れの構築具合が見事だ。戦争もヒトラーも「その流れにおよぐ一匹の魚」というエッセンス一つに過ぎない。
 精緻であるがゆえに僕みたいに読解力が無いと結構読むのが大変なのもまた事実。でもゆっくり噛み締めながら読み進めればその見事な流れを堪能できると思う。オススメの1冊です。

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