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『 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 』

公開日: : 映画・テレビ

 まったくノーマークだった。パッケージや予告編とかを見る限り、ありがちな”父と子の和解”みたいなテーマなのかと思ったら全然違った(そういうの自体は嫌いじゃないけど)。この役で2度目のアカデミー主演男優賞に輝いたダニエル・デイ=ルイスの怪演がギラギラと脂っこく光る良作でした。

 金掘りから油田掘りに転向したダニエル。幼い息子と2人で商売を広げていく中で、ポールと名乗る若い男から持ちかけられた土地の買収からビジネスは大きく拡大、成功者としての道を歩んでいく。しかし金に執着し、他人をまるで信用しない性格のために、町・教会の人たちと多くの軋轢を生んでいく。
 映画は彼の成功ストーリーという描き方はせず、また家族愛とか父子愛とか、僕が当初予想していた父と子の和解とか、そういう描き方も一切しない。過剰に猜疑心が強く、「家族(血のつながり)」に強い憧れを抱くがそれを築くことができない孤独な男を淡々と描いている。そしてダニエル・デイ=ルイスも淡々と、そしてギラギラとその男を演じている。

 展開も地味、大きな波乱もないが、ダニエルと関わる人たちのとやり取りが息苦しいほどねっとりと続き、とくに全編にわたってのイーライとのやりとりは本当に息が詰まる。イーライを演じたポール・ダノは独特な魅力があって、『リトル・ミス・サンシャイン』でしゃべることを放棄した兄と同じく、またその魅力を発揮したすばらしい演技を今回も見せてくれている。

 150分と長めですが、久々に見ごたえある映画なのでまだの方は是非。

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント (2008-08-20)
売り上げランキング: 807
おすすめ度の平均: 4.0

3 肌に合わない
4 名優頼みの正攻法
3 石油屋の物語
5 人間模様を描く傑作
4 石油つながりの偽家族

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