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『光ってみえるもの、あれは』

公開日: : 最終更新日:2014/09/17 書籍・雑誌

川上弘美づいてますが『光ってみえるもの、あれは』、読了しました。

読んで感じたのは「今回は登場人物たちの輪郭がハッキリしてるな」ということ。いつも川上弘美の小説に出てくる人たちは、もやもや、ふわふわしていて輪郭もボンヤリとしているのだけれども、今回は翠も花田も平山も、愛子さんも 匡子さんも、大鳥さんですら、東京でも五島列島の夏の日差しの下でも、くっきりと輪郭を保っている。別にそれが嫌だ、ということではなくて、ちょっと意外というか驚きだった。

彼らをとりまくボンヤリとした世界との対比で、そのくっきりした人物像が際立って見えて、こと後半の島でのやりとりは魅力的だった。もちろんその手前に細々とした伏線があったからで、その作り方は毎度すばらしい。こと花田くんのキャラは凄い好き。高校生くらいってそういうこと考えそうだようなぁ、と。

自身ゴチャゴチャしている近況の中で、こうやってすっと入ってくる小説をこのタイミングで読むことができたのは、いろんな意味でよかった。中で引用されている詩に、こと、351ページに掲載されいる、ジャン・コクトーの『偶作』には、示唆が含まれているような気がしてしまうのは気のせいだろうか?

光ってみえるもの、あれは (中公文庫)
川上 弘美
中央公論新社
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