*

『パプリカ』

公開日: : 映画・テレビ

 原作を読了した後、改めてみるとまた随分感想が違ってくるもんですね。原作にそれほどノメリこめず、今敏監督を敬愛する立場としての観終えたときの感想は「なるほどね」。でも、最近、これまた敬愛する川上弘美さんの原作のレビュー(というかあとがき?)を読んで、またちょっと原作に対する感想も変わってきたように思うので、そういうのも含めて、うまく説明できるといいんだけど。

 烏賊、ネタばれ。

 そう、川上弘美さんが言うように、原作の中のキャラは、それぞれがそれぞれ「典型」だ。敦子は男なら誰でも振り向くほどの美人でありながらノーベル賞候補になるほどの知性の持ち主、パプリカは幼さを残しつつも会話は知的で、どちらも典型的な「男性に取って理想的な女性像」であり、時田は典型的な「天才」、乾は典型的な「悪」。原作はその典型性と、本気なのかジョークなのか分からない過剰なノリで、一気に畳み掛けられる。そこについていけるかどうかが、作品を好きになれるかどうかの境目な気がして、僕はちょっとついていけなかった。じゃあ映画がGOODか、というと、う〜ん。

 映画は、キャラは踏襲しつつもその典型性がだいぶカットされてる。単に時間の都合で描き切れてないのかもしれないが、僕はこれくらいの方がいいんじゃないかと思うんだけど。逆に、ゆ原作の第一部部分をごっそり削ってしまった分、ストーリーの把握が難しくなってしまっている。原作の過剰さも押さえられスマートに話しは進むが、エンディングもスッキリまとまって、それはそれで消化不良な気が・・・

 結局、映画という限られた時間の中で、何を削って何を表現するのか、脚本って難しいなぁ、というのを感じながら最後までみるはめに。そう考えると『ミスト』はすげぇ、と改めて思う。

パプリカ
パプリカ

posted with amazlet at 08.06.07
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2007-05-23)
売り上げランキング: 1065
おすすめ度の平均: 3.5

2 原作には勝てなかった!
5 理屈は抜き!
5 「夢」の表現
5 Solid
3 今敏監督のファンですが…

ad

関連記事

映画『サウルの息子』

先日、2016アカデミー賞 外国語映画賞を受賞した『サウルの息子』を観た。全編にわたって緊張を強いら

記事を読む

no image

『1408号室』

『1408号室』見て来た。 ネットの評判は悪くないようですが、僕的には今ひとつ。スティ−ヴン・キ

記事を読む

no image

変態村

無事仕事も一段落して、そういえば先週末家でノンビリしようと思って借りてあったビデオがあったのを思いだ

記事を読む

no image

善き人のためのソナタ

ベルリンの壁が崩壊する1989年11月9日前の東ドイツ、シュタージによる徹底した諜報活動で国民を監視

記事を読む

no image

『 プライドと偏見 』〜ありえない誤訳

『 高慢と偏見 』も読み終えたところで、前からちょっと気になっていた『 プライドと偏見 』を借り

記事を読む

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ad

  • プロフィール写真
    2003年にブームに乗ってblogを開始、するものの生来の飽きっぽさゆえに、blogを立ち上げては消し、立ち上げては消しを繰り返し、2007年から…。→続きを読む
    follow us in feedly
PAGE TOP ↑