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『誰かが手を、握っているような気がしてならない』

公開日: : 書籍・雑誌

 敬愛する前田司郎の新著、読了しました。

 今までの「あくまで一人の主人公による独白」というような展開と違い、父と母、娘2人という「家族それぞれの独白」で構成されたストーリー、と思わせて実はそのうちの一人による独白(?)という展開。そういえば章分けも行空けもなく、どこからどこまでが誰の独白となっているのか境目が判然としない作りにもなっていて、このあたりはちょっと最初は戸惑った。

 内容的にはそうだなぁ、う~ん、いつもの前田節に期待していたところもあったのでちょっと拍子抜け、というか、まあ違うアプローチということかもしれないけど、僕はそもそも「家族」についてとかあまり言うことも無いし、結ぶ像がないので、家族すべて、そして神=父の、ナオを経由して語られる家族像のカタチを読んでみても「まあそうかもね」という感想くらい。こういうそれぞれの方向から家族像を作っていく、というのなら角田光代の『空中庭園』とかのほうが(まあ正統派なつくりだけど)面白くて好きかな。

 でもまあ、いつものあのギスギスした感じ(笑)はシンパシー度も高い分好きだけど、こういう暖かい作品も出てきたところだし、次また期待しています。一度は舞台を見に行くかなぁ。

誰かが手を、握っているような気がしてならない
前田 司郎
講談社
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