*

『 ニートピア2010 』

公開日: : 書籍・雑誌

 なんでこんな本を2000円も出して買ってしまったのだろうか。まったく記憶に無い。寝てる間に屈強な大男に後ろから羽交い絞めにされPCの前に座らされamazonで購入ボタンをクリックされてしまったのだろうか。

 全編にわたる意味不明なストーリー。ストーリーなどと言うにも腹立たしい不快な文字の羅列。登場人物は野蛮で過剰に暴力的だし、表現一つとっても読むたびにムカムカしてとりあえず視界に入る全ての人間を殴り倒したくなるくらい気分が悪い。

 仕事帰りに、家に向かう人通りがぜんぜんない薄暗い道で不意に人に刺されて絶命した上に野良犬のエサになって遺体すら見つからなくなった年増OLの強い呪いの念が霊となって、彼女と行った楽しいピクニックの写真で僕の隣にうっかり映りこんでしまったような、すっかり暗い気持ちになってしまうような、そんな思いがページをめくるたびに湧き上がる。

 せめて少しでも2000円を取り戻そうとBOOK OFFに持って行こうかと思ったが、こんな本は間違いなく買い取りに値段がつくはずもなく、それどころかかえってBOOK OFFから金銭を請求されかねないし、間違って誰か他の人がこの本を手にとってしまい絶望して自殺でもしてしまったら僕自身が要らぬ罪悪感に苛まれかねず、そんなリスクを負うくらいなら燃やしてしまった方がまだ気が楽だ。

 だったら読むなよ、という意見は状況をちゃんと理解していない間抜けが言うことではないだろうか。著者は嫌々書いているのであって喜んで人に読んでもらおうなんて思っていない。こんな本もともと誰も読んでないだろうに、これで僕が読まなかったら本が売れず著者も本を書く必要がなくなってしまう。それでは著者はハッピーになってしまうではないか。ここまで酷い本を書いておいて自分だけハッピーになるなんて許されない。だから僕はこれからも中原昌也の本は読む、しかもハードカバーで、新品で。僕を含めた僅かな読者のためだけに仕方なく嫌々書かされている著者の顔を想像するだけで今日のビールも美味くなるというものだ。

ニートピア2010
ニートピア2010

posted with amazlet at 08.04.21
中原 昌也
文藝春秋
売り上げランキング: 7762
おすすめ度の平均: 4.0

1 面白くないものは面白くない
5 「小説」は中原昌也のためにある
5 声に出して読みたい
5 オススメ☆
5 最高傑作!

 という、僕なりの最大限の賛辞を持ってオススメします。一生懸命文体をまねして見ようと思ったけど、やっぱり全然無理でした(笑)。酷いこと書いてますが、あくまでネタなので本気にしないように…

ad

関連記事

no image

『浮世の画家』

立て続けですが、カズオ・イシグロの『浮世の画家』、読了しました。かつては影響力ある画家として多くの弟

記事を読む

no image

STUDIO VOICE休刊

2ヶ月前に、10年以上に渡って買い続けてきたSTUDIO VOICEも創刊400号になったタイミング

記事を読む

no image

わたしたちに許された特別な時間の終わり

久々に辛い本だった。 決して内容が悪い訳じゃない、いやたぶんどちらかというと好きなストーリーな

記事を読む

おっさんだから読みたいKindle Unlimitedにあるコミック自選10 (2016年8月22日現在) #kindle #unlimited

ローンチタイトルが今ひとつで、「あ、これは1ヶ月の無料期間中に解約するな」と思っていたKindel

記事を読む

no image

『別海から来た女――木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判』

 いつもだったらこの手のノンフィクションは読まないんですよ。この事件がかなり特異だということはニュー

記事を読む

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ad

  • プロフィール写真
    2003年にブームに乗ってblogを開始、するものの生来の飽きっぽさゆえに、blogを立ち上げては消し、立ち上げては消しを繰り返し、2007年から…。→続きを読む
    follow us in feedly
PAGE TOP ↑