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『御馳走帖』

公開日: : 最終更新日:2014/09/17 書籍・雑誌

川上弘美のエッセイとかを読んでるとよく出てくる内田百閒。やっと読む機会がまわってきました。初回は「御馳走帖」、食に関する随筆集です。

ただ別に食に関してとはいえ美食について語るというより内田百閒の食に対する流儀が滔々と書かれている。もちろん美味しいものは大切だけれど、それよりも日々の食事を楽しみを削がれないことが重要で、良いお酒もそれが際立つことによってお膳が霞むようなら日頃飲む普通のお酒で充分。なにより馴染んだ味を大切で、そのためのこだわりは読んでいて思わず笑ってしまう。時代はだいぶ違うけど気持ちはすごいわかるなぁ。

時代を感じるのは肉食に関するあたり。今はもう牛も豚も、馬も羊も気にせず食べるけど、当時はまだ四つ足への抵抗が大きくて、それを口にする人たちのリアクションも興味深い。そんな凄い昔の話しでもないのだけど、食生活、食文化って結構変わるもんなんですな。

著者自身「書き散らす」とも書いているように止めども無い話しが続くのだけど、その柔らかくウィットにとんだ文体は時代を感じさせない感じ。描かれる食べ物も美味しそうで、これ読むと焼いた油揚に醤油を垂らしたものとか、おからにレモンを絞ったものとか食べたくなる。そういう日々の日常的な食事にこだわりの見いだすのは素晴らしく、そんな日常を面白く書ける著者は凄いなぁ、と思う。

ということで、しばらく内田百閒の著作を読み進めてみたいと思います。とりあえず『御馳走帖』はオススメです!

御馳走帖 (中公文庫)
御馳走帖 (中公文庫)

posted with amazlet at 14.09.17
内田 百けん
中央公論社
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