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『 田紳有楽・空気頭 』

公開日: : 書籍・雑誌

 藤枝静男の『 田紳有楽・空気頭 』、読了しました。先の『 桃 』と同じく川上弘美のエッセイ集『 ゆっくりさよならをとなえる 』に登場した本で、そのとき気になってまとめて買ってあった。

 読んだのだけど感想が難しい。突拍子もない登場人物たちが繰り広げる不可解な内容の『田紳有楽』と、私小説っぽいのだけれど内容がどんどん崩壊していく『空気頭』。途中まで読んで「あ、なんかヤバいところ来ちゃったかも」と思ってしまうくらいよくわからない。決して面白くないとかいうことじゃなくて、本当によくわからないのだ。

 人に化ける術をもつ茶碗、空を飛ぶ丼鉢、金魚と恋をし子も成しかけたグイ呑み、人に身をやつし老人性掻痒症に悩む弥勒、大黒、地蔵、偽チベット僧などなど、脈絡もよくわからないままおかしな登場人物(?)が次々と登場し、身の上を話し、妙見菩薩が現れたあたりからまた話しにドライブがかかって最後の宴に雪崩れ込んで行く『田紳有楽』。面白いとか面白くないとかそういうレベルで語れないよくわからなさ。一気に読める、読ませるのだけれどどう理解していいのかわからない。

 かたや淡々とした語り口で描かれた『空気頭』。結核に苦しむ妻との関係性に悩む「私」の話しから始まり、その頃の「私」の心情描写は興味深く面白いのだけれど、ページが進むに連れて話しの方向がどんどん変わっていき、「私」の昔からの悩み辺りから糞臭まみれるおかしな方向に流れていく。そして突如、日記のような語り口になったかと思うとテレビを消すかのようにブツリと話しが終わる。

 僕の読解力の問題だろうか、本当にどう解釈したらいいのかもわからない。世の中にはまだまだ知らない世界があるのだな、という感想くらいしか持てない。どうしたらいいだろう、とりあえず他の著作も読んだ方がいいのだろうか。川上弘美先生もまた困った本を紹介してくれたなぁ。

田紳有楽;空気頭 (講談社文芸文庫)
藤枝 静男
講談社 (1990/06)
売り上げランキング: 36938
おすすめ度の平均: 4.5

5 小川芋銭に通じる「田紳有楽」
4 一度読んでみるといい
4 極私小説

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Comment

  1. 青木鐵夫 より:

    川上弘美さんもご推奨の作家藤枝静男の年譜・著作年表を作成しました。
    http://www.tetsuao.com/ です。ちょっとのぞいてください。
    藤枝静男はたいへん面白い作家です。その魅力を一人でも多くの人にと思って作ったページです。しかし偏執的な年譜で、逆効果か。よろしく。

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