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『 桃 』

公開日: : 最終更新日:2014/09/17 書籍・雑誌

久世光彦の『 桃 』、読了しました。

桃をモチーフにした短編集。大正後期から昭和初期を舞台にした人間の生の死を、瑞々しい桃の透き通った甘い香りと、腐敗した桃のむせ返るような過度な甘い匂いにのせて描かれている。「生」はそのまま「性」に繋がっていて、だから描写は艶かしく血の匂いも混じる感じではあるけど、グロテスクというのではなくて登場人物たちの秘めた気高さを浮き立たせている。まあこの辺は巻末の解説そのものですけど。

表現も甘美で情景描写も美しく、短編それぞれのストーリーも多彩で面白かったです。個人的には「尼港の桃」と「響きあう子ら」がお気に入り。

なんかもっと前に書かれた本なのかと思っていたら最近のものなんですね。まあ確かに言葉の選び方が最近のものでしたけど。また機会みつけて久世光彦著作読んでみたいと思いますよ。

桃 (中公文庫)
桃 (中公文庫)

posted with amazlet at 14.09.16
久世 光彦
中央公論新社
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