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『イージー・ライダー』を見返す

公開日: : 最終更新日:2014/09/17 映画・テレビ

突然見返したくなり、きっとどうせ何回も見るだろう、と思って買いました、DVD。

改めて見て思ったのは、「あれ?こんな良い映画だったっけ?」ということ。逆にショッキングだったエンディング以外は殆ど忘れていた。ワイアットがキャプテン・アメリカになってビリーとマルディグラを目指して走り出すまで、こんなストーリーだったのか。

たしかに何回か見せられる意味の無いカットワークや後半のLSDでのトリップシーンとかは思わせぶりなだけだったりとか、全体としての完成度も高くはないのだけれど、やっぱりこの映画は変な魅力に満ちあふれている。それが何なのかはよくわからないのだけれど。

映画は「旅の途中で目的を達せないまま終わる」と記憶していたのだけどそうじゃなくて、一応ちゃんとマルディグラには行っているし、だけれどその後、次の目的も(観客には)わからないまま再びバイクで走り出し、途中のキャンプでもそのことには何も触れず、キャプテン・アメリカの思わせぶりな発言を最後に、あのエンディングに繋がっていく。

自由で瑞々しいカメラワークで捉えられたバイクの走行シーンは秀逸で音楽もすばらしいけど、主人公をはじめ脇役たちの誰もその行動に目的意識も責任も持たず糸の切れた凧のように動き回る不登場人物たちには不安しか感じられない。夢想していた理想の時代は来ないとを知りつつも砂漠の中のコミューンでうずくまるように暮らしているヒッピーたちも、地に足をつけて暮らす南部の田舎の人たちも、誰もがどことなく無気力で、そしてイライラしているように見える。

DVDを買ってよかったと思ったのは、映画そのものよりも、充分なボリュームのメイキングが収録されていたこと。これが面白かった。この時代の、狂った作品の裏側は興味深い。中で語られているデニス・ホッパーが編集した長尺篇も可能なら見てみたいと思う。

もう随分昔、六本木ヒルズが出来る前にあった六本木WAVEの中の映画館で『地獄の黙示録』の裏側を撮った映画『ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録』を見たのだけれど、あの映画の「映画そのものがヴェトナム戦争のように泥沼化していく様」は本当に面白く(というと不謹慎かな、面白い、というより、興味深い、か)、今でも一番好きなドキュメンタリではあるのだけれど、『イージー・ライダー』のメイキングもそれに充分通じる面白さがあった。うん。

なにげに最近、昔の映画を今一度見直す、ということをしているのだけれど(先日も『カサブランカ』とかを見てしまった)、次は何だろう。今の所『オーメン』とかが候補なんだけど。

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Comment

  1. あずき より:

    ダミアンの乳母の絶叫シーンが持ちネタの友人がいて(どんな友人なんだってツッコミは置いといて)それ見たもんで、私も割と最近見直しました。
    昔は気にならなかった、キリスト教世界のよくわからなさが結構もどかしかったです。
    それでも充分コワカッタですけど。
    特に音楽がコワイのね。
    勢いついて、2と3も見てしまいましたが。
    これは見なくてもよかったかな…。

  2. 猪木 より:

    イージーライダーはオイラも買いました~!
    何度観てもオイラ的にはジャック・ニコルソンの印象が強くて特に拘留されてた留置所からでてきてキッツイ酒を含んで言う一言「インディアン~~ン」って場面が頭から離れませんwwww
    キッツイ酒呑むとついついマネしてしまいますwww

  3. あおけん より:

    バイカーやメディアが「良い良い」と絶賛なので、一度だけ観ましたが、個人的には全然。
    カットや場面場面では、クールなところがあるのは判るけど。
    けんさんみたいに、また観れば違うのかも知れないね・・・

  4. はな より:

    ご無沙汰です!
    僕はこの映画で人生が変わりました。
    ハーレーに乗り出したことじゃなくって、
    あの虚無感に捕りつかれて、抜け出せないこと(笑)。

  5. kaizuka より:

    映画の捉え方は人それぞれですから。僕も最初見た時はなんじゃこれ、と思ったし。
    >あずきさん
    オーメン、今度見ます。当時のオカルト映画は音楽が良いですよね。「サスペリア」のゴブリンとか。
    >猪木さん
    ああ、やっとキャラが一致した。そうだジャック・ニコルソンだ。今度からジンちゃんじゃなくてジャックと呼ぶことにしますよ。
    >あおけんさん
    まあ映画としての完成度は微妙ですからね。まあまた「機会ある時にでも見直してみる」くらいでいいと思います。
    >はなさん
    結局映画の中でも抜け出せないままあのエンディング、というかあのエンディングのお陰でやっと抜け出せた、というか。
    僕は虚無というより閉塞という方を感じます。はい。

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