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フラッタ・リンツ・ライフ

公開日: : 最終更新日:2014/09/16 書籍・雑誌

気が付くと『 スカイ・クロラ 』シリーズも第4作目。最初は読んだときは「よくわからない」という感想だったのだけど、気が付くとすっかりハマっていて続きが読みたくて仕方なくなっている。早く続きを読みたいからハードカバー買おうかとも思ったけど、そうすると本棚に並べたときに背表紙が揃わなくて気持ちが悪いので文庫化を待っていました。

パイロットである主人公の主観だけでストーリ−は進み、世界観を語るシーンがまるでなく、タイトルごとに変わる主人公(『 ナ・バ・テア 』と『 ダウン・ツ・ヘヴン 』はクサナギですが)の視点の違いと、流れる時間によってのみ世界が垣間見える構成はいつも通り。主人公がキルドレなので感情の振れ幅は少ないし多くも語らないのもいつも通りですけど。

それでも少しずつ語られる内容でキルドレについて見えてきて、同時に彼らの抱える問題も照らし出されてきて、このタイトルはどちらかというと今までと違って戦闘シーンも少なく、クリタの恋心にフォーカスされているのもあってか面白さが増してきます。戦闘を含めた飛ぶシーンも美しく、これを読むとこの世界でのパイロットになりたい、とも思ったりもします。もちろん僕は死ぬのは怖いので彼らのようにはなれませんけど。

以下ちょっとネタバレかもしれんので読みたくない人は飛ばしてください。

巻末の解説でキルドレのことを「薬害」という言い方をしていた。

老いもせず死にもしない体を持った彼らが薬によってそれを手に入れたが、じゃああの感情の持ち方は何処から出て来たのだろうか?その「薬害」はフィジカルとメンタルとに同時に作用するのだろうか?不老不死というストレスから自らを守る為にそういう感覚を獲得した、と考えるには彼らはまだ若い。それともそういうトレーニングを受けたのだろうか?

どちらにしろ、確かに不老不死になれば感情の持ち方がああなっていかないと人間が擦り減ってあっという間に消耗してしまうんだろうな、とは思う。幸福なんだろうか?不幸なんだろうか?キルドレじゃないからそんな風に考えてしまう。

さて、残るは『 クレィドゥ・ザ・スカイ 』、発売日いつだろう。それとももうハードカバー買おうかなぁ。

フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)
森 博嗣
中央公論新社
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