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非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎

公開日: : 最終更新日:2014/09/16 映画・テレビ

Henry_derger_omote_01hp非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎 』の試写に行ってきました。

今年の夏にひらかれた原美術館での作品展が話題になり、また少し知られるようになった作家、ヘンリー・ダーガー。ネットでも評判になり、彼の作品をよく見かけるようになったのをきっかけに僕も関心を持つようになった。パステル色合いにガーリーな画風、しかしときにファンシーにときにグロテスクに、見る人をなんともいえぬ不安な気持ちになる作品たち。それらの作品(かなりフォトコラージュも含むのだそう)のもととなった、彼が生涯かけて書き続けたストーリー『非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子ども奴隷の反乱に起因するグランデコ・アンジェリニアン戦争の嵐の物語』。誰にも知られるまま終わった彼の生涯とそれら作品の謎を追おうとするのが今回のドキュメンタリー。2004年の映画で、実は2005年に日本で公開されようとしたのだけど(そのときの配給は日本ヘラルド(当時))知名度の問題なのか一度お蔵入り、2008年に改めてロードショーとなります。

もちろん彼が亡くなる直前まで創作活動をしていたことは誰も知らず、そもそもコミュニケーションが苦手で人との繋がりも希薄だったりしたため、創作の手がかりは残された日記に頼るのみ、あとは隣近所の人の証言だけなので、謎を掘り下げるにも限界はあって、でもだからと言って彼の生まれ育ちや趣味嗜好を奇異な目で見たりせずに、ひたすら淡々と語るそのスタンスは見ていて安心できました。

ただちょっと展開が忙しいな、とは思った。演出もいろいろと趣向を凝らして飽きさせないよう努力をしているのはわかるが、何故彼がこういったものを制作して行こうとしたのかわらかないのであればせめてもうちょっとその作品を隅々までみるタイミングが映画の中にあってもよかったんじゃないかなぁ。もともと彼の作品は大判なのが多いのだし、大きなスクリーンで見れるのもまた面白いのに。駆け足で生涯を追う中でそういう緩急もあってもよかったのにとは思いました。

まあでも日記の存在は知らなかったので知れて良かったし、彼の信仰心と作品への影響も面白かった。著作が読める時代は来るのかしら?Googleがまとめてスキャニングしてくれないかな。

ロードショー自体は年明けになるみたいですが、興味ある人は是非どうぞ。これ見て関心持つ人が増えるといいですね。

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